2016-03
まいにち五十音 せ 世界の車窓から
「世界の車窓から」という
長寿番組あって
とても短い時間だけど
それでもどこかテレビに映し出される
見たことも行ったことも無い風景に
子どもの時からドキドキしていました。
そしていまから
シュツットガルトからベルリンまでの
車窓の旅をしようとする
僕がいます。
まいにち五十音 す すしライス
ベルリンで最初に食べたご飯は
スーパーに売っていた「すしライス」というもので
これが一番日本のお米に近いと聞いて買って
試してみました。
半信半疑でお米を炊いてみたのですが
これが確かに日本のお米に近くてびっくりしました。
もちろん、多少の違いはあるけれど
こだわらなければ全然美味しく食せます。
なお「すしライス」は別にお寿司のためのお米じゃなくて
日本っぽいネーミングだからだそうです。
まだまだ日本と言えば「寿司」「忍者」「芸者」の
イメージみたいです。
まいにち五十音 し シュツットガルト
いまこの文章を
シュツットガルトから書いてます。
ベルリンにきてから1か月後の
僕のファーストトリップの地です。
昨日、一日街の中を歩きました。
ベルリンとはまた違う
ドイツの風景のなかを歩いていたら
五時を知らせる教会の鐘の音が聞こえて
その轟音のなかに目を閉じて
身を委ねている自分がいました。
まいにち五十音 さ 佐分利信
好きな俳優は誰ですか?と聞かれると
僕は佐分利信さんと答えます。
佐分利信さんは昭和を代表する俳優さんで
上原謙、佐野周二(関口宏さんのお父さん)と
「松竹の三羽カラス」と言われたくらい
2枚目の俳優さんです。
僕が好きなのは
小津安二郎監督の「戸田家の兄妹」での
佐分利信さんで
ぶっきらぼうで、ひねくれものだけど
正直で優しく、強い人柄の役を演じられています。
僕の憧れのような男性像です。
まいにち五十音 こ 近藤君
中学校の時にですが
日曜日だけ限定の
新聞配達のアルバイトをしていました。
夜が明けぬ前に家を出て
近所に住んでいた近藤君のうちによって
近藤君といっしょに新聞の販売所に行って
自転車に乗って新聞を配ってました。
まだみんなが多分眠っている家に
僕と近藤君は自転車を漕いで
出来立ての新聞を配っていた日々を
ふと思い出しました。
まいにち五十音 け 消印
郵便物におされている消印というものに
どういうわけか惹かれてしまいます。
何かどこかから旅をしてきたんだなと
旅人を温かい目で迎えるような気持ちに
消印を見ると感じるのです。
ドイツにももちろん消印はあって
とても素敵な旅のしるしが
ハガキや封筒に刻まれています。
まいにち五十音 く 屈斜路湖
屈斜路湖は北海道にある湖で
「くっしゃろこ」と呼びます
僕は別に屈斜路湖には行ったことないのですが
僕が小学生のときにやったテレビゲームで
「オホーツクに消ゆ」というミステリーがあったのですが
そのゲームの中でこの屈斜路湖は出てくるのです。
僕はなぜか今日に限って「く」のことばを思い浮かべてきたら
屈斜路湖が浮かんできて
勝手になんか屈斜路湖的な風景を
思い浮かべて懐かしんでいるのでした。
まいにち五十音 き キツツキ
今はベルリンで暮らしているのですが
こっちにきて始めてキツツキの
リアル木つつきを間近で鑑賞しました。
キツツキたちはとても真剣な面持ちで
(あくまで僕にとってですが)
木をつついていました。
静かな森のなかで聞こえてくるのは
キツツキの木をつつく
乾いた音と、その鳴き声だけでした。
まいにち五十音 か かたつむり
20代のころ、姉が働いてた
アメリカ西海岸のサンタクルズという街で
一か月ほど暮らしたことがありました。
僕は姉の友達家族のガレージを借りていたのですが
その家族に5歳くらいの女の子がいて
いつもその子と遊んでいてとても仲良くなりました。
僕がそこで誕生日を迎えた日の早朝
僕のドアを誰かが激しくノックしたので
ドアを開けてみるとそこには
両手にいっぱいカタツムリが盛られていて
それが僕への誕生日プレゼントとのことでした。
僕のアメリカでの誕生日は
早朝のノックと女の子の顔と
かたつむりのぬめぬめした感覚が
刻まれています。
まいにち五十音 お 音頭
福岡にいたときに
よく「資さんうどん」に
ご飯を食べに行ってました。
この資さんうどんの入り口には
スピーカーが備え付けられていて
そこから「資さん音頭」という
オリジナル音頭が聞こえてきます。
音頭ってでも良いですね。
いろんなことがあるけれど
まあ楽しくやっていこうや、と
肩をぽんぽんと
叩かれている気分になります。